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期限・手続き

実家を売ると3,000万円控除?|相続した空き家の特例、使える条件と期限を整理

相続した実家を売るとき、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。条件は細かく、期限も二つあるので、国税庁の情報をもとに整理しました。

公開:2026-10-02内容確認:2026-10-02文:実家ジタク編集(TBH不動産)

まず結論:押さえる4点

  • 相続した「被相続人居住用家屋」(亡くなった方が住んでいた家)や、その敷地を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売ったとき、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。
  • 対象の家は、昭和56年5月31日以前に建築された、区分所有(マンション形式)ではない建物などに限られます。
  • 売るときは、耐震基準を満たす家のまま売るか、家を取り壊して敷地を売るのが基本です。
  • 期限は二つ。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、そして制度自体が令和9年12月31日までであることです。

特例の内容

正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。売って得た利益(譲渡所得)から、最高3,000万円を差し引いて税額を計算できます。

なお、令和6年1月1日以後の売却で、家と敷地を相続した相続人が3人以上の場合は、控除の上限が2,000万円になります。

対象になる家と土地

特例の対象となる「被相続人居住用家屋」は、相続の開始の直前に、亡くなった方が住んでいた家で、次の3つをすべて満たすものです。

  1. 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  2. 区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)ではないこと
  3. 相続の開始の直前に、亡くなった方以外に住んでいた人がいなかったこと

対象の敷地は、その家の敷地として使われていた土地などです。母屋と離れがあるなど、複数の建物がある場合は、面積の計算が必要になることがあります。

なお、亡くなる前に要介護認定を受けて老人ホームなどに入所していた場合は、一定の要件を満たせば、入所前に住んでいた家が対象になることがあります(国税庁 No.3307)。

売り方の3つのパターン

パターン内容(国税庁の説明より)
① 家のまま売る相続の時から売る時まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと。売る時点で、一定の耐震基準を満たしていること。
② 取り壊して敷地を売る家の全部を取り壊すなどした後に敷地を売る。相続の時から売る時まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと。取り壊しから売る時まで、建物などの敷地に使っていないこと。
③ 売った後に耐震改修または取り壊し売った時から、売った年の翌年2月15日までに、耐震基準を満たすようにするか、家の全部を取り壊す。令和6年1月1日以後の売却に限る。

期限は二つあります

  1. 売却の期限:相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  2. 制度の期限:特例の対象は令和9年12月31日までの売却です。
計算例(イメージ) 相続の開始が令和5年6月の場合、3年を経過するのは令和8年6月。その日の属する年の12月31日、つまり令和8年12月31日までに売る必要があります。制度の期限(令和9年12月31日)より前に、売却の期限が来る点に注意が必要です。実際の日付は、個別に税理士などにご確認ください。

そのほかの主な条件

  • 売った人が、相続(または遺贈)で、その家と敷地を取得した相続人であること。
  • 売却代金が1億円以下であること。一体として利用していた部分を分けて売った場合や、ほかの相続人が売った場合も、一定の期間内のものは合算して判定されます。
  • 「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」や「収用等の場合の特別控除」など、ほかの特例の適用を受けていないこと。
  • 同じ被相続人から相続した家や敷地について、この特例を使っていないこと。
  • 親子や夫婦など、「特別の関係がある人」に売ったものではないこと。

必要な書類と「確認書」

特例を受けるには、一定の書類を添えて確定申告をします。主な書類は、譲渡所得の内訳書、登記事項証明書など、売買契約書の写し(1億円以下の確認用)、そして売った資産の所在地の市区町村から交付を受ける「被相続人居住用家屋等確認書」などです。家のまま売る場合は、耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写しも必要です。

売却を決めたら、早めに市区町村の窓口で、確認書の手続きと必要書類を確認しておくと安心です。

よくある勘違い

  • 「築年数は関係ない」ではありません。昭和56年5月31日以前の建築が条件です。
  • 「貸していても大丈夫」ではありません。相続の時から売る時まで、事業・貸付け・居住に使っていないことが必要です。
  • 「相続した人がいくらでも3,000万円」ではありません。相続人が3人以上なら上限は2,000万円です。
  • 「売ってから考える」では遅いことがあります。耐震や取り壊しの扱い、確認書の取得、売却期限があるため、売る前の確認が大切です。

まず確認する3つのこと

  1. 建築年と登記の種類:登記簿で、建築年(昭和56年5月31日以前か)と、区分所有建物ではないかを確認する。
  2. 相続の開始日:亡くなった日から、売却の期限(3年後の年末)を逆算する。
  3. 家の使い方:相続のあと、貸したり、誰かが住んだりしていないかを確認する。

名義がまだ亡くなった方のままのときは、先に 相続登記 の段取りも必要です。

この記事について 一般的な情報の整理であり、税務・登記・法律の個別の判断ではありません。実際の手続きや申告は、状況により異なります。個別のご事情は、税理士・司法書士・弁護士、または所轄の税務署・法務局・市区町村にご確認ください。制度は改正されることがあります。内容は 2026-10-02 時点で、下記の出典で確認した範囲です。

出典(公的情報)

うちの場合、何から始める?

売却を考えているなら、相続や建物の状況、売る時期を整理し、特例の条件を税理士や税務署に確認しましょう。適用を前提に決めず、ほかの選択肢も比べられます。

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