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実家が長屋・連棟住宅だったら。空いた1戸をどう相談する?

隣の家と壁や屋根がつながっている実家で、親が暮らしていた1戸だけが空いた。そんなときは、片づけや解体の見積もりを急ぐ前に、建物のつながり方と、相談できる制度を確かめたいところです。「長屋だから行政には相談できない」と決めつけず、実家のある自治体へ状況を伝えることから始められます。

公開:2026-10-27内容確認:2026-10-27文:実家ジタク編集(TBH不動産)

10月24日の発表が伝えた、長屋の空き家問題

一般社団法人空き家管理士協会は2026年10月24日、前日23日のテレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」で、長屋などの「かくれ空き家」が取り上げられ、同協会が取材協力したと報告しました。[1]

同協会は、住んでいる戸と使われていない戸が一つの建物に混在する状況を説明しています。「かくれ空き家」は問題提起のための表現で、法律上の定義ではないとも明記しています。これは報道への協力報告であり、10月に新しい制度が始まったという発表ではありません。[1]

「自分の1戸が空いた」と、法律の対象になるかは別

八尾市の公式FAQは、長屋や共同住宅では、すべての住戸が空室でないと空家等対策法の「空家等」「特定空家等」の対象にならないと説明しています。一方で同市の条例では、区分所有されている長屋の一部住戸が空家の場合も、指導・助言などの対象としています。[2]

この説明だけで、見た目が長屋の実家を一律に対象外と判断しないでください。国土交通省の現行ガイドラインには、外見上は長屋等でも、隣り合う住戸の間の壁が二重になっているなど、各住戸が別個の建築物である場合の扱いが示されています。建物の実態によっては、法の対象になりえます。[3]

空いている戸の数に加え、どこまでが一つの建築物なのかが確認点になります。壁の内側を自分で壊して調べる必要はありません。手元の図面や登記関係の資料をもとに、自治体の担当窓口や建築士などへ、確認方法を相談しましょう。

空家等対策法だけで、相談を終わらせない

国交省のガイドラインは、建築基準法など他の法令に基づく対応が考えられることを示し、長屋等の一部住戸が空室の建物にも対応できる可能性に触れています。どの制度で何ができるかは、建物の状態や危険の程度などを踏まえて判断されます。[3]

八尾市条例の例も、全国で同じ指導や助言を受けられるという意味ではありません。実家のある自治体の空き家担当窓口へ、「長屋の一部が空いている」「ほかの戸には人が住んでいる」など、分かる範囲で伝えてください。そのうえで、条例による対応の有無や、建築の担当部署への相談が必要かを聞きます。

国交省の関連情報ページでは、基本指針と措置ガイドラインの最終改正を2026年9月3日としています。[4] 個別の家が対象になるかを、古い案内や建物の呼び名だけで判断せず、現在の窓口で確かめることが大切です。

相談前のメモは、建物・権利・今の状態に分ける

ここからは、実家ジタク編集部による準備の提案です。法定の書類や、自治体共通の申請要件ではありません。分からない欄は「不明」として、次の三つを一枚にまとめてみましょう。

  • 建物のこと:所在地、実家が並びのどの戸か、空いてからの期間、隣の戸の使用状況。図面や過去の修繕記録があれば、その有無。
  • 権利のこと:土地と建物の名義、共有者や相続の手続きについて分かること。登記事項証明書など、手元の資料と家族の記憶を分けて記録する。
  • 今の状態:雨漏り、屋根や外壁の傷みなど、いつ、どこで気づいたか。すでに連絡した窓口、回答、次に確認する相手。

写真は、安全な場所から確認できる範囲で十分です。撮影のために傷んだ屋根や床下へ入ったり、隣の敷地に無断で入ったりしないでください。落下や倒壊など差し迫った危険がある場合は、記録をそろえるより安全の確保を優先し、近づかずに自治体などの関係窓口へ状況を伝えましょう。

修繕・解体を頼む前に、確認する相手をそろえる

長屋は、隣の住戸との構造上の関係や所有関係が、作業の進め方に関わります。協会の発表も、1戸だけの修繕・解体には、隣接所有者との調整や構造の検討が必要になると説明しています。[1]

家族や隣人と話ができたことだけで、工事を進めてよいと判断しないようにしましょう。建物の安全性や工事範囲は建築士などに、名義・共有・必要な権利関係の確認は司法書士や弁護士などに相談し、自治体で必要な手続きも確かめます。誰の確認が必要か、見積もりに何が含まれるかを、契約前に聞いておきます。

売る、貸す、住み継ぐ、今は管理を続ける。方針が決まっていなくても相談は始められます。今日できるのは、手元の図面や書類を一つ探し、「この1戸について、何が分かり、何が不明か」を書くことです。長屋の実家も、建物と権利、相談先を分けて確かめるところから、次の支度につなげられます。

出典と確認範囲

[1] 一般社団法人空き家管理士協会「テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』で『かくれ空き家』問題が取り上げられました」。2026年10月24日掲載。放送日は同協会の報告による2026年10月23日。
https://www.akiyakanrishi.org/archives/8175

[2] 八尾市「共同住宅や長屋住宅の部分空家は、空家等対策法の対象となるのですか?」。2025年7月11日更新。
https://www.city.yao.osaka.jp/faq/faq_sumai_seikatsu_machidukuri/1018003/1019357/1019371.html

[3] 国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」。現行関連情報ページで最終改正2026年9月3日と案内されている版。本文2ページ(別個の建築物)、7〜8ページ(他法令との関係)。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002019841.pdf

[4] 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」。最終更新2026年9月3日。現行の基本指針・ガイドラインへのリンクを確認。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html

確認日:2026年10月27日。公開された発表と自治体・国の解説を確認した一般的な整理です。個別の建物の構造、法や条例の適用、修繕・解体の可否、必要な同意、費用は調査・判断していません。所在地の自治体と、建築・権利関係を確認できる専門家へ相談してください。TBH不動産と協会・自治体の提携や、TBHによる特定の工事・法的手続きの提供を示すものではありません。写真・図表の転載は行っていません。