空き家管理から、建物調査・保険につなぐ提携
2026年10月23日、日本空き家サポートを運営するL&Fは、住宅あんしん保証との業務提携を発表しました。空き家の売却・活用相談から、建物状況調査や既存住宅売買瑕疵保険などの活用につなぐ内容です。[1]
これは事業者間の連携の発表であり、新しい法制度ではありません。発表本文には、個別の実家で利用できるか、料金はいくらか、いつ検査を受けられるかまでの答えはありません。提携の締結日そのものや一律の提供開始日も、本文では確認できませんでした。
実家ジタクでは、こうした動きを「売却を決める前に、建物について何を確認するか」を考える材料として取り上げます。TBH不動産と両社の提携や、TBHによる検査・保険の提供を示すものではありません。
まず「調べること」と「保証すること」を分ける
国土交通省の説明では、建物状況調査は、建物の劣化や不具合の状況を把握するための調査です。瑕疵があるかないかを判定したり、瑕疵がないことを保証したりするものではありません。[2]
つまり、調査報告書があることだけで「家のどこにも問題がない」とは言い切れません。家族で報告書を読むときも、結論らしい一言だけでなく、調べた場所と調べられなかった場所を確かめることが大切です。
住宅瑕疵担保責任保険協会の案内では、動かせない家具などにより見られなかった部分は、その旨が報告書に記載されます。[3] 「確認できなかった」を「問題がなかった」に読み替えないようにしましょう。
相談時には、四つの欄に分けて聞いてみる
ここからは、実家ジタク編集部による確認メモの提案です。公的な申請書や、特定の会社のサービス内容ではありません。
1.誰が、何のために調査するか
売却の判断材料がほしいのか、気になる雨染みを確かめたいのか、保険の利用を検討したいのか。最初に目的を伝え、調査する人、対象となる場所、受け取れる報告書を聞きます。
「インスペクション」という名前だけで判断せず、今回の依頼で何が分かり、何は別の調査になるのかを、見積書や説明書で確かめましょう。
2.当日、見られない場所はないか
家財が残っている部屋、鍵がない物置、入るのが難しい床下など、気になる箇所を先に伝えます。無理に自分で移動・解体したり、危険な場所へ入ったりせず、準備の必要性を調査する人へ確認してください。
調査後には、見られなかった箇所を再確認する必要があるか、その場合の手順と費用も聞いておくと、次の相談につながります。
3.保険は、どの条件で利用できるか
建物状況調査を行えば、自動的に保険に加入できるわけではありません。国土交通省のQ&Aは、保険加入には検査を行う事業者や住宅の状態などの条件があることを説明しています。[2]
保険を検討するなら、申込先へ「この家は対象か」「どの部分を、いつからいつまで対象にするか」「対象外になるものは何か」を確認します。調査報告書と保険の書類は別々に受け取り、加入の成立を何で確認できるかも聞いておきましょう。
4.費用と、判断する順番はどうなるか
調査、追加の検査、修繕、保険について、誰にいくら支払うのかを分けて書きます。住宅瑕疵担保責任保険協会も、調査費用は事業者や建物、追加調査の条件などで異なると案内しています。[3]
最初の見積もりに含まれる範囲と、追加費用が発生する条件を確かめてから進めます。報告書を見て売り方を考えるのか、先に修繕するのかも、不動産会社や調査を行う専門家と相談しましょう。
今日できることは、気になる点を一つ残すこと
いきなり調査を申し込む前に、分かる範囲で、雨漏りや修理の記憶、残っている図面、過去の工事の資料を一か所にまとめてみませんか。分からないことは「不明」のままで構いません。
家族の記憶と、専門家が実際に確認した結果は分けて残します。「調査済みだから大丈夫」ではなく、「分かったこと、まだ分からないこと、次に聞く相手」が見える状態を目指す。それが、実家の次の使い方を考える支度になります。
出典と確認範囲
[1] L&F「日本空き家サポートと住宅あんしん保証の業務提携」2026年10月23日13時30分公表。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000066340.html
[2] 国土交通省「宅地建物取引業法における建物状況調査に関するQ&A」2024年4月1日現在。Q1-1、Q3-2等。
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001735111.pdf
[3] 住宅瑕疵担保責任保険協会「既存住宅状況調査(建物状況調査)よくあるご質問」Q8、Q11等。ページの公表・更新日は確認できず。
https://www.kashihoken.or.jp/individuals/kizon/jyokyochosa-qa.php
確認日:2026年10月26日。公開された発表・公式解説を確認した記事です。個別の建物の状態、検査・保険の利用可否や費用を調査したものではありません。契約や保険の条件は、依頼先の最新の説明・書類で確認してください。写真・図表の転載は行っていません。